あなただけを愛したい
「眼鏡」



あ、外見のことね。



「最後だから。……あと、見てもらいたい人もいるし」



航にあたしの姿を見てほしい。



「そうなんだ」



田中くんはそれ以上は突っ込んでこなかった。


今日は卒業式だからか、ちょうど出勤してきた航と会うこともない。


と思ってたら……


保護者が乗ってくる車を、誘導している姿が見えた。


まさか朝から会えるなんて思っていなかったから、不意打ちすぎて、心臓がどきどきと鳴り始めた。


気付くかな……


傍まで行った時に



「おはようございます」



とあいさつをした。


航はこっちを振り返って、一瞬目を見開いたけれど



「おはよう。それから、卒業おめでとう」



目を細めながら、笑顔で言った。


その表情に、ドキンッと胸が高鳴る。


それ、ヤバいよっ……
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