あなただけを愛したい
いいなぁ……


航の授業ってどんな感じなんだろう。


一度でいいから受けてみたかったな。




教室に入ると……


ザワザワとしはじめた。


こっちをチラチラ見ながら“誰?”と、口々に言ってる。


予想どおりの反応だった。



「祥子、おはよう」


「わっ、柑那!」



祥子もビックリしすぎだし。



「あとで話があるんだけど聞いてくれる?」


「うん、聞くよ」



祥子にはまだ、航とのことを話してなかった。



「それよりどうしたの?」


「うん、これも含めてあとで話す」



クラスのみんなの視線が突き刺さる。


ヤダなぁ……


そんな中、



「土原、ちょっといい?」



と、いつものように長谷川くんが話しかけてきたけれど……


きっと、この間航が電話に出たからだよね。



「うん」
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