あなただけを愛したい
何で叫ぶの?


携帯ならせばいいのに……


そのために今朝交換したんでしょ?


でも竜一はこういうヤツなんだ。


思ったことを思ったまま行動に移す。


でも、こんな目立つこと……


ほんと、……最悪……


外へ出たとたん、竜一は満足そうに笑いながら



「やっと出てきた」



そう言って、あたしの肩に腕を回してきた。



「ちょっ、離してよ!」


「やーだね!」


「何しに来たの?」


「迎えに来た」


「は?」



何言ってるの?


迎えに来てほしいなんて、言った覚えがない。



「おまえ、別れたくないって言ってただろ?だから迎えに来た」


「わけわかんないんだけど。三年も前の話出してこないでよ。あたし今、彼氏いるし」


「俺に乗り換えろよ」



確かに竜一と別れた時は、見苦しいくらいに“別れたくない”ってすがっていた。
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