あなただけを愛したい
.


「先生のこと、ほんとだったんだね」



教室に戻って、祥子の前の席に落ち着いたら、言われた一言。


さっきの場面をこの場所から見られていたらしい。


うぅ、恥ずかしい。



「それに、凄く積極的な元彼なんだね」


「結構突っ走るタイプなんだよね」


「そんな感じだったね。でも結構かっこよかった」


「うん。ちょっとドキッとしちゃった」



三年ぶりに会ったら、ほんとに男らしくなっていて……


さっきの強引なところとか、そういうのを見ると、好きだった頃をちょっぴり思い出した。


ほんとにちょっぴりだけどね。



「わっ、マジ?先生に言い付けちゃおうかなぁ」


「えっ!?それはダメッ!」



身を乗り出して、全身で“言わないで”オーラを出した。



「ふふ、ほんとに先生のことが好きなんだね」


「うん、大好き」


「ハイハイ、ごちそうさま」
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