あなただけを愛したい
「“ヤダ”とか言われると、軽くショックなんだけど」


「ち、ちがっ…」



“イヤ”の“ヤダ”じゃなくて……



「柑那、こっち見ろよ」



無理だよ。


見れない。


顔の熱さと比例して、胸の鼓動も激しくなってくる。


激しすぎて、痛い。


ふと、両肩に触れていた航の両手が離れた……


と思ったら……


今度はその両手で、あたしの頬を包んだ。



ドキドキドキドキ……



と鼓動の勢いが増す。



「こ、航っ!」



航の大きな手が、あたしの顔をあげようと、ゆっくりと動きだす。



「ヤ、ヤダって!」


「何がヤなんだよ?」



航がそう言った時には……


あたしの正面に、航の顔。


絶対に真っ赤だもん。


恥ずかしいよっ……
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