あなただけを愛したい
あたしの話?


なんか話すことあったっけ?


首を傾げていると……



「先生となんかあったんでしょ?」


「えっ!?」



なんでわかるの!?



「ずっと冴えない表情をしていたから」



お姉ちゃんにはかなわないな。



「あたし、最低な態度をとっちゃった」


「最低な態度?」



お姉ちゃんに、航のアパートでお友達に会ったこと……


凄く怖かったこと……


そのお友達が航のことを“もっともっと悪いヤツ”と言ったこと……


怖くなって、航の話すら聞かずに逃げ出しちゃったこと……


を話した。


そしたら、お姉ちゃんからの“喝”が飛んできた。



「ねぇ柑那、あんたいつも言ってるじゃん。“外見だけで判断されるのはイヤ”って。柑那が先生の部屋でとった行動って、それと同じことなんじゃないの?」


「……」



言葉が出なかった。
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