あなただけを愛したい
「だから、入って?」


「はい」



今度こそ、足を進めた。


座っていいものかと、ずっと立ち尽くしてたら……



「座ったら?」



と、言ってくれて……


そのままソファーに腰を下ろした。



「昨日、強烈なものを見たんだって?」



強烈なもの?



「兄貴の友達。かなり強烈だっただろ?」


「あ、……はい」



弟の蓮くんは、笑いながら言ってるけれど……



「外見はあんなんだけど、みんないい人ばっかだよ」


「はい」



やっぱり、そうなんだ。


あたし、凄く最低なことをしちゃった。



「でも、兄貴も悪いよな。柑那ちゃんに、昔のことは何も話してなかったんだろ?」


「……はい」
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