あなただけを愛したい
そんなあたしの反応に、航は苦笑い。



「毎日喧嘩ばっかしてた」


「……けん、か?」



そういう人たちがする喧嘩って、殴り合いなんでしょ?



「あ、でも、……理由もなしに喧嘩はしねぇよ。原因があるものにしか、手は出さねぇ」


「……原因?」


「ん、例えば、……そうだな、仲間がやられたりとか……」



なんか、そういう世界の出来事って、あたしには無縁なものだったから、実感がわかないというか……


でも……



「そんなことしていたのに、どうして教師になったの?」



ていうか、なれるものなの?



「高三の時の担任がさ、かなりお節介なヤツで。……それまでは担任どころか、学校や親にも見放されてたんだよな、俺」



なんか、想像できる。


厄介なものには目を瞑る的な……


あたしもその場にいたら、きっと避けてる。
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