あなただけを愛したい
「そんな顔するなよ。可愛い顔が台無しじゃん」



か、可愛い顔!?


でもだって!……自分で“できる子”って……


表情が崩れてもおかしくないよ。



「高三の秋からだぞ?猛勉強を始めたのは」


「えっ!?」



それは、……凄い。



「何で教師だったの?」


「担任の影響だろうな。あーいう教師を目指してぇって思ったんだ」



その担任の先生は、どんな人だったんだろう。


ここまで航を変えちゃうなんて……


きっと、凄く尊敬できる先生だったんだろうな。



「他に聞きたいことはある?」



聞きたいこと……



「……昨日の、お友達は、……まだそういうことをやってるの?」



あんな外見で、仕事に就けたりするのかな。



「いや、アイツらもちゃんと働いてるよ。鳶職とか工事現場とか」


「……そうなんだ」
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