あなただけを愛したい
真っ直ぐな想い
「そういえば……」



航は抱き締めていた腕をゆるめ、あたしの顔を覗き込みながら



「一つ思い出したことがあったんだ」



思い出したこと?



「何?」


「昨日、柑那が忘れていった卒業アルバムを見ててさ」



航の口の端が上がったような気がした。


なんか嫌な予感。



「柑那が“ピンクちゃん”だったんだな」



ピンクちゃん……


って……



「えっ!?」



あの、パンツ事件だよね?


あの時のことを思い出して、顔がかぁぁっと熱くなった。


ヤ、ヤダ……


いまさら思い出してほしくなかった。



「何で俺、気付かなかったんだろうな。あんなに近いとこにいたのにさ」


「……あたしも、コンタクトにしとけば良かった。そしたら航はあたしのことを見つけてくれたでしょ?」
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