あなただけを愛したい
でも、昨日が卒業式で良かったよ。


そうじゃなかったら、鋭い生徒から突っ込まれたりとかありそうなんだもん。


隠しきれる自信なんてないし。



「それより、恥ずかしいから降ろして?」



いまだに航の足の上に座っていて、このこと自体も恥ずかしいんだけど……


今はそれよりも、航との距離が近すぎてずっとどきどきしっ放しなんだもん。



「俺、この距離が好きなんだけど」


「……っ!」



航があたしの顔を覗き込むようにして、“好き”とか言うから、顔が凄く熱くなった。


絶対に真っ赤だ。



「そういう反応が、また可愛い」



か、か、かわいい!?


またさらに熱くなる。



「お願いだから、……もう何も言わないで」



両手で両頬を押さえながら言った。
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