あなただけを愛したい
「柑那」



航の甘い声に、胸がトクンと音を立てる。


その音を合図に、心臓がどきどきと走り始めた。



「柑那のこと、……抱きてぇ」



ドキンッ――…



あまりにもストレートすぎる言葉に、痛いくらいに心臓がどきどきと鳴り響く。



「あたしも、……好き」



あたしにはこう答えるのが精一杯で、さっきの言葉にうまく“Yes”と答える方法がわからない。



「もし、……OKなら、柑那からキスして」



あたしから、……キス……?



「……もし“No”なら、俺の足から降りて」


「……」



口で言えないあたしには、選択しやすいけれど……


でもこれはこれで恥ずかしいよ。
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