あなただけを愛したい
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放課後、いつもの位置に座って窓から外を眺める。



「柑那って、凄く頑張ってるよね」



頑張ってる?



「え、何を?」


「勉強だよ。いつも残ってやってるんでしょ?」



普通は、疑わずにこう思うんだよね。


田中くんは鋭すぎて、苦手だよ。



「勉強してるって見せ掛けて、……ほんとは窓の外を眺めてるんだ。勉強なんて、ほとんどしてない」


「えっ、窓の外?何があるの?」



そう言って、祥子は身を乗り出すように、窓から外を眺めた。



「好きな人を、眺めてるの……」


「えっ!?」



祥子は目を見開きながら、こっちを見た。



「こうやって、眺めるだけの恋」


「柑那?」


「ほんとはもっともっと近づきたい。話をしたり、触れてみたり、してみたい。でも……」



なぜだか目頭が熱くなってきた。
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