あなただけを愛したい
それに……


確かに、あの時はOKだった。


だけど、こういうのって、タイミングが必要だと思うんだよね。


もしかしたら、こうやって一晩一緒にいたら、そうなるかもしれない。


そうなったらなったで、かまわないんだけど……



「……」


「柑那?」


「……航は、どうしてそんなに、……急ぐの?」



「……急いでるつもりはねぇよ。……ただ……」



“ただ”……何?



「本能で、柑那を抱きてぇって、そう思っただけだ」


「……っ!」



ドキッとした。


本能……


それって……


ただただ、あたしを求めてくれてるって、


そういうことでしょ――…?



「柑那は、そういう思いはねぇの?」


「……」



ない……


わけじゃない。
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