あなただけを愛したい
夜行く時は、ほとんどいつも同じ店員さんがいて、他にお客さんがいない時は、世間話をしたりもする。


結構面白い人だから、凄く楽しかったりするんだ。



「それって、男?」


「男?……って何が?」


「オマケする店員だよ!」


「まぁ、夜だからね」



夜遅いと、あんまり女性店員は見かけない。



「……」


「だから、あたしが行ってくる!」



そう言って、バッグから財布を抜き取って立ち上がった。



「待て」



航はそう言って、歩きだしたあたしの手をつかんだ。



「えっ?」


「俺が行くって言ってんだろ?」


「いいって!あたしが行くの!」


「おまえなぁ……俺の話聞いてたか?」



航が溜め息混じりに、言葉を発する。
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