あなただけを愛したい
「航こそ、あたしの話聞いてた?一人で大丈夫だって言ってんじゃん!」



航に下着を買ってきてもらうとか、ありえない。


ふと、航の顔を見ると……



えっ……



凄く不機嫌な顔をしていて、あたしと目が合った瞬間、大きく息を吐いた。



何?



「もういい」



えっ……


“もういい”って、どういう意味?


もしかして、怒っちゃったの?


なんか、凄くどきどきしてきた。


胸が、痛い。



「何、泣きそうな顔してんだよ」



これも、溜め息混じり。


ヤダ、どうしよう……


ほんとに涙が出そうだよ。



「柑那?」



喉の奥が詰まって、なかなか出せない声を、絞りだすようにして口を開いた。



「……何で、怒ってるの?」
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