あなただけを愛したい
ようやく涙が止まって、少し落ち着いた頃……


抱き締められていた腕の力が弱まって、航があたしの顔を覗き込んできた。



「怒ってねぇからな」



その表情は、凄くやさしくて、ついポロッと……



「好き」



素直な気持ちがこぼれ落ちた。


その瞬間、航は顔を背けた。



「航?」


「……だから、……そういうのが、やべぇんだって」


「そういうの?」



首を傾げていると……


もう一度、ぎゅっと抱き締めてきた。



「柑那」



その声に顔だけを上げる。


ゆっくりと航が近づいてきて……


唇が、触れた。



「…んっ…」



撫でるようなやさしいキスが、だんだん深くなっていく。



「…んッ……こ…ぉ…」




身体の力が抜けてきて、立っていられなくなった。
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