あなただけを愛したい
「あれだけの容姿だし、目の保養にはなる。……それに、見てるだけなら反対はしない。でも……」


「“でも”、何?」


「想いを告げたいとか、付き合いたいとか言うなら……、あたしは反対」


「どうして?」


「あの先生、チャラチャラしてるけど、絶対に生徒には手を出さない。生徒は生徒って割り切ってる」


「……」



ちょっと待って……


なんで祥子がそんなことを知ってるの?



「柑那、……昨年卒業した、あの先輩のこと、知らないの?」



あの先輩……って何?



「先生にアタックしまくって、でも最後は……」



祥子の表情が沈んでいく。



「最後は……何?」
< 23 / 453 >

この作品をシェア

pagetop