あなただけを愛したい
どうしていいのかわからなくて、航を見上げながら首を傾げた。


突然、航がくっついていたあたしの身体を、勢い良くパッと離した。



「な、なにっ!?」



航は何も言わずに……



「ちょっ、航!?」



あたしの身体を凝視した。


慌てて両手で隠そうとするけれど、航がその手をつかむ。



「航っ!は、はずかしいよっ!」


「何で?すっげぇ、綺麗じゃん」



き、きれいっ!?


そんなこと言われたのは初めてだから、どう言葉を返していいのか、わからない。


あたしの目の前にも、航の逞しい身体が視界を塞いでいて……


つい見惚れてしまった。



「柑那」



この声に我に返って、航を見上げる。


その瞬間……


航の唇があたしのそれに触れた。



「…んッ…」
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