あなただけを愛したい
「柑那?」


「……」



ダメだ……


頭の中が、変になっていく。



「ひゃっ、な、なに!?」



あたしがいつまでも、顔を背けたまま何も言わないからか、航があたしの両頬を挟むように、航の両手で覆ってきた。


そのまま顔を上げ、目線は合わせたまま……



「来週、ちょっと遠出しようか?」



遠出?



「どこに?」


「んー、柑那が喜びそうなとこ」



あたしが、喜びそうなとこ?


えっ、どこだろう。


って……来週っていわなかった?


その日は……



「来週は予定がある」


「は?何の予定だよ?」



眉間に皺を寄せながら聞いてきたけれど……



「中学の同窓会」


「同窓会?」


「うん。みんなに会うの、久しぶりだから、凄く楽しみ」



仲の良かった友達とは、時々会ったりしているけれど、他の子達とは中学を卒業して以来だから三年ぶりだもん。
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