あなただけを愛したい
「家にまで押し掛けてたらしくて。“プライベートにまで干渉するな”とか、他にもかなり冷たく言われたみたいよ」



冷たく……?



いつも笑顔で……


いつも優しくて……


いつもジョークばかり言ってる……


あの先生が――?



想像できない…



「その先輩、不登校になったんだよ」


「えっ!?」


「水島先生は、先輩の親から抗議されて大変だったんだよ。……柑那、ほんとに知らなかったの?」


「……うん」



そんな大事(オオゴト)になってたの?


全然知らない。



「だから、本気なら、あたしは反対」



祥子は、あたしを心配して言ってくれてるんだね。



「見てるだけだよ?声かける勇気もないし」


「そっか、憧れみたいなもの?」



違うよ……


本気で好きだよ。


だって、二年半だよ?


二年半ずっと想い続けてるんだから。




でも……


祥子には……


“本気だ”とは、……言えなかった。
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