あなただけを愛したい
「柑那、竜一くんとヨリを戻したの?」



咲季とは、最近会っていなかったから、まだ航のことは話していない。



「ううん、たまたま外で会ったの」


「そうなんだ」


「咲季は?彼氏とうまくいってんの?」


「うん!」



咲季は高校で彼氏ができて、もうすぐ一年らしい。


でもあたしは、まだその彼氏に会ったことがない。



「今度紹介してよ?」


「うん。柑那は?そういう人いないの?」


「いるよ。付き合い始めて一ヵ月の彼氏」


「一ヵ月!?めちゃくちゃ最近じゃん!どんな人?」



咲季があたしの腕をつかみながら、身を乗り出すようにして聞いてくる。



「あはは、咲季必死すぎ。とりあえず座ろうか?」



近くの空いている席に、咲季と並んで座った。



「で?どんな人?同じ高校だった人?」



同じ高校……


確かにそうだけど。
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