あなただけを愛したい
「まあ……うん、そうだね」


「何?その曖昧な答え」



だって、先生だもん。


曖昧にもなるよ。



「ちょっと嫉妬深そうだったよな?」



えっ?


あたしの目の前に座った竜一が口を挟んできた。



「えっ?竜一くん知ってるの?」



咲季はビックリしたのか、目を見開きながら、竜一とあたしを交互に見た。


竜一とは高校が違ったんだし、航と顔を合わせるなんて思わないよね。



「ちょっと、柑那!竜一くんが知っててあたしが知らないっておかしいでしょ!?」



そんなこと言われても……



「さぁ白状しなさい!」



これは何のバツ?



「……の……せんせ……」


「は?」



小さな声でゴニョゴニョと言ったあたしの言葉を、咲季は聞き取れず、眉間に皺を寄せた。
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