あなただけを愛したい
「センコーだよな?」


「ちょっ、竜一っ!」



目の前から普通に発せられた言葉に、戸惑いを隠せない。



「セ、センコーって……えっ!柑那、先生と付き合ってんのっ!?」


「わっ!咲季、声が大きいっ!」



慌てて咲季の口を塞ぐ。


そんな大きな声を出したら、周りに聞こえちゃうよ。



「え、何?土原って先生と付き合ってんの?」



咲季の声を聞いてか、早速突っ込まれた。


ガーン……


終わった。


来て早々、ネタを提供してしまった。


今日はきっと、みんなからいじられて終わるんだ。



「咲季のせいだからね!」



頬を膨らませて、咲季を軽く睨みながら言った。



「柑那、ごめーん!」



咲季は両手を合わせて、深く頭を下げながら謝っているけれど、この状況は変わらない。
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