あなただけを愛したい
次から次へと、あたしの回りに人が集まってくる。


はぁ……


溜め息しか出ない。



「で?」


「は?」


「どんな先生?」



咲季が目を輝かせながら聞いてくる。


ううん、咲季だけじゃない。


周りに集まった人みんなが、身を乗り出して興味津々な視線を向けている。


大きく息を吐いて、もうここは話すしかないと腹を括った時



「結構イケメンだったぞ。俺には負けるけどな」



目の前に座っている竜一が、“ははは”と笑いながら口を出す。


みんなの視線があたしから、竜一にうつった。



「何でおまえが知ってんだよ?」



ごもっとも。



「柑那の取り合いでもしたの?」



咲季が首を傾げながら口を挟むけれど……
< 251 / 453 >

この作品をシェア

pagetop