あなただけを愛したい
「九ヶ月かぁ、じゃあまだまだラブラブだね」


「うん。でもね、軽く遠距離なんだよね」



今度は眉をハの字に曲げながら、寂しそうに言葉を放つ。



「遠距離?」



彼氏の潤くんは隣県の大学へ行ったから、そんなに頻繁には会えないらしい。


あたしも、航が忙しいときは全く会えないけれど、距離が近いだけ、まだいいのかな。



その夜――…


航から電話が掛かってきた。



“入学式、どうだった?”


「楽しかったよ」


“そっか。あっそうだ、この間言った遠出の話、いつなら行ける?”



そういえばそんなことを言っていた。


航が計画を立ててくれた日が、ちょうど同窓会の日で、翌週に延期したんだけど……


今度は航の都合が悪くなっちゃったんだよね。



「いつでもいいよ」


“じゃあ、来週でもいい?”


「うん」
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