あなただけを愛したい
テーマパークに着いて、車から降りると……



「わっ、凄い人!」



人気があるだけあってたくさんの人がいた。


園内に入って、乗りたいものから順番に並んで乗った。





「疲れた」



航の口から飛び出した一言。



「えっ」


「いや、人の多さに疲れた」



確かに……



「ねぇ、観覧車に乗ろうよ」



二人きりになれば、少しは休まるかな。


そう思って、観覧車の列に並んだ。


こうやって、堂々と外で手を繋ぐのは、今日が初めてかもしれない。


普段からデートしている時は、手を繋いだりもするけれど、いつも周りを気にしてばかりいた。


だって、いつ誰に会うかわからないと思ったら、堂々と手を繋ぐことができなかったんだ。


こうやって離れた土地に来ると、気持ちも大きくいられる。
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