あなただけを愛したい
そうこうしてるうちに、あたしたちの番が来て、小さな箱に乗り込んだ。


あとから乗ってきた航が、あたしの隣に座る。


そのまま肩に腕を回してきた。


あたしも航の肩に頭を預ける。



「やっぱ二人きりがいいよな」


「うん」



航の体温が凄く心地良くて、いつのまにか目を閉じていた。



「柑那、今日は泊まっていくか?」


「えっ、いいの?」


「ん、その代わり、朝はすっげぇ早ぇーけどな」


「早くてもいい!」



今日はこのまま帰らなきゃならないって思っていたから、物凄く嬉しい。


初めて航のアパートに泊まってから、早一ヶ月。


あたしの服や化粧品は、すべて航の部屋に置いてある。


なんか、……彼女みたい。


って、彼女なんだけど、いまだに信じられないというか、自信がないというか……


ほんとは夢なんじゃないかって思ったりする。


夢なら覚めないでほしいなぁ。
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