あなただけを愛したい
「この外見になってから友達になってくれたのは祥子だけだよ、ありがとね」



中学の時なんて、あたしから声をかけなくても、いつも誰かしら声をかけてきた。


でも今は……


こっちから声をかけたとしても、友達に発展することはない。



「何言ってんの?あたしは外見で友達は選ばないよ。柑那の中身に惚れたの」


「ふふ、ありがとう」


「で、話がそれたけど……、田中くんって、柑那のことが好きなんでしょ?」


「まあ、そう言われたけど……でも結局、アイツも外見で……、って感じだし」



そう言いながら、また眼鏡を掛けて髪を結う。



「やっぱこのほうが楽だな」


「ふふ、なんかさ、柑那の意外な一面が見れて嬉しいかも」


「そう?」
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