あなただけを愛したい
勇気を振り絞って、茜さんがいる方を振り返った。



「……!」



なんという、綺麗な人。


目が合った瞬間、茜さんは“ふっ”と笑って



「ずいぶん子供と付き合ってるのね。教師なんて目指すから、女の趣味もおかしくなったんじゃないの?」



ズキンッ―…



わかってる。


航と並んだら、あたしが不釣り合いなこと。


きっと目の前にいる……茜さんの方が、お似合い。


でも、それを面と向かって言わなくてもいいじゃん。



「おまえには関係ねぇ。帰れよ」



航はそう言って、あたしの背中をグイッと押して、玄関に入れた。


そのまま航も一緒に入ってこようとしたけれど……



「航!あたし、あなたの子を産んだのっ!」



えっ……


思わず振り返った。
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