あなただけを愛したい
でも……


これも強制的に外されて……


ゴムを外されて、だんだん頭が出来上がっていく。


ふと前へ回り込んだ石田さんが……



「ちょっ!」



なんて、叫び始めたから視線を合わせると……



「土原さん!」


「何?」



言われることはだいたいわかる。



「なんでっ、コンタクトにしないのー!?」



やっぱり……



「眼鏡の方が楽だから」


「えっ、でももったいないよ!」


「そう?……んーでも、この方が楽だからさ」



そう言って、手にとった眼鏡をかける。


お団子頭を作ってくれた石田さんにお礼を言って、祥子が待っている廊下に出た。




午前中は浴衣喫茶のウェイトレスとして働き、午後からは祥子とブラブラと校内を歩いた。
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