あなただけを愛したい
途中何度か、水島先生を見たけれど、いつも女子生徒に囲まれていて……


時には、積極的に先生に腕を絡めている子もいて……


その光景を見るたびに胸が痛くなった。


でも、あたしは自分から先生の傍に行くわけでも、先生に声をかけるわけでもないから……


しょうがない。


勇気が欲しいな。






学園祭二日目は午後からの当番だった。


しかも祥子とは別々。


他に仲のいい友達がいるわけでもないし……


一人で、中庭のベンチに腰掛けていた。


昨日は雨は降らなかったものの、重い雲が広がっていたけれど、今日は雲一つない快晴。


空の青さに、心が癒される。


ずっと空を眺めていると……



「好きですっ!」



目の前の大きな木の向こう側から、女の子が告白をしている声が聞こえてきた。
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