あなただけを愛したい
「はぁ!?何言ってんの?なるわけないでしょ?」



いつものことだけど、竜一はまた勝手なことを言っている。



「じゃあ傷心を抱えてんのは、その友達?」



竜一が有希の方を見ながら言う。



「……」



それがあたしだなんて言ったら、竜一はどうするんだろう。



「柑那ちゃんだろ?」



光輝くんが口を挟む。



「は?柑那?おまえ、あのセンコーは?」


「……」



やっぱりこうなるよね。


もう放っといてほしい。



「ごめん。あたし、今日は帰るよ」



竜一がいたら、楽しむものも楽しめない。



「じゃあ、俺が送ってく」



竜一が、即名乗りをあげたけれど……



「いい、一人で帰るから」



そう言って、咲季と有希に別れを告げて、その場をあとにした。
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