あなただけを愛したい
彼氏候補
.



「ねぇ柑那、竜一くんと付き合い始めたの?」



食堂で昼御飯を食べながら、咲季が話しかけてきた。



「付き合ってはないよ」


「でも最近毎日一緒にいない?」


「うん」



あれからも、竜一は毎日あたしを迎えに来る。


そして夜まで一緒に過ごす。


だからって、付き合ってるわけじゃない。



「最近は、竜一といることが心地よかったりするんだ」


「そうなの?」


「うん」



正直まだ、好きという感情はない。


でも竜一と一緒にいると、気を許せるし、楽なのは確かなんだ。


だから最近は、“友達”から“彼氏候補”に昇格してもいいかな……なんて思ったりもしてる。
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