あなただけを愛したい
「何かあるの?」


「いや、特には。……たまにはぱぁーっと遊ぶのもいいかなと思ってさ」



やさしく笑う竜一に、トクンと胸が高鳴る。




最近のあたしは、少しおかしい。


航のことが好きなのに……


航のことが、まだ忘れられないはずなのに……


あたしの心臓は、竜一にも反応しちゃうんだ。



「うん、行く」



あたしがそう言ったと同時に、車は遊園地へ向かって走り出した。



その道中、竜一とあたしの間には会話は全くなかった。


それでも、カーステから流れるやさしい曲調のBGMのお陰か、それさえも今は居心地がよかった。
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