あなただけを愛したい
平日の遊園地は、わりかし人が少ない。


あたしたちのような、学生カップルがほとんどだ。


だから、ほとんど並ばずにアトラクションに乗れたりする。


観覧車も、すぐに乗ることができた。


あとから乗り込んできた竜一は、迷わずあたしの隣に腰かけた。


そして、あの頃のように、肩に腕を回す。


その温もりが心地よくて、やっぱりあたしは振り払うことができない。


こんな中途半端な自分は、凄く嫌なのに……


そんなあたしの心を読むように、竜一が口を開いた。



「なあ、今の俺の位置って、何?」



竜一の位置?


言ってる意味がわからず、竜一の顔を覗き込みながら、首をかしげる。



「友達?彼氏候補?それとも……彼氏に昇格できんの?」
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