あなただけを愛したい
「予定変更」



竜一はそう言って、握っている手にぎゅっと力を入れてから、早足で歩き始めた。


そして辿り着いた先が……



「もう一回乗ろう」



観覧車だった。





さっきと同じ位置に座るけれど、二人の間に流れる空気も、気持ちも、すべてがさっきとは全然違う。


我慢しようとしても、さっきの光景があまりにも辛すぎて、涙を止めることができない。


ほんとに、ヨリを戻しちゃったんだね。


航は、ちゃんと前へ進んでいるんだね。


あたしだけが、あのテーマパークで……


茜さんが航に会いに来た出来事の前で……


止まってしまっている。


あたしも早く、前に進まなければならない。
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