あなただけを愛したい
「ありがとうございましたー」
その声と共に、観覧車から降りる。
泣いても泣いても、涙は止まることを知らないかのように、溢れ続け……
いつの間にか、観覧車は一周していた。
うつむきながら、外へ出たはいいけれど……
今日はもう、遊園地の気分ではない。
引っ張られるように、竜一に手を引かれているけれど、どこへ向かっているんだろう。
聞く気にも、なれない。
でも……
竜一が向かった先は、あたしの心を読んでいたかのように、出口だった。
そのまま駐車場に向かい、車に乗せられた。
「行きたいところはある?」
「……どこでも……」
あの三人の姿さえ見えなければ、どこでもよかった。