あなただけを愛したい
言われた場所へ来たはいいけれど……



『背の高ーい超イケメン』



なんて、凄く目立つはずなのに、それらしき人が見当たらない。


怪しいくらいにその場でキョロキョロしていたら……



「柑那ちゃん!」



と、後方から男の人の声。


そのまま、その場所へと視線を向けた。



「…あ…」



確かに背が高くてイケメンだ。


でも、何で?


ゆっくりと歩いてきたその人が、あたしの前まで来て口を開いた。



「久しぶりだね、元気だった?」


「はい、……と言いたいところなんだけど」


「はは、わかってるよ。どうせ、兄貴のことで悩んでんだろ?」


「……うん」



そう、あたしの目の前に立っているのは、航の弟の蓮くんだった。
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