あなただけを愛したい
「コイツ、誰だよっ!」



突然入ってきたかと思ったら、その勢いのまま叫び始めて……



「ちょっ、竜一!落ち着いてっ」



慌てて立ち上がって、竜一の手を引き、あたしの隣に座らせた。


とりあえず、目の前にあった水を渡すと……


竜一は、一気にそれを飲み干して……



「で?……誰?」



竜一が聞きたい気持ちもわかるけれど、それよりもっと気になることがあった。



「……竜一は、何でここにいるの?」



蓮くんに会ってることは知らないはずなのに。


しかも、どうしてこの場所がわかったの?



「今日はたまたま早く終わってさ、柑那の短大に早く着きすぎたから、その辺をぶらぶらしてたら……」



今日は、竜一も早く終わってたんだ。



「柑那が、このわけのわからねー男の車に乗ってどっかへ行くから、……俺、かなり焦ったんだけど」



見られてたんだ。
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