あなただけを愛したい
「昨日のことは、確認してねーから、はっきりとは言えねーけど、……兄貴の本音は、たぶん戻りたいって思ってんだよ。二人の想いが一緒なんだから、それは我儘とは言わない」



その言葉に、目の奥が熱くなって、涙がホロリとこぼれた。



「か、柑那ちゃん?」



目の前の蓮くんは、そんなあたしを見てオロオロするばかりで……



「もう、……航の傍には戻れないって、そう思ってたから」



といっても、まだ子供のことが解決した訳じゃない。


だけど、航もあたしと同じ気持ちでいてくれてるのかもしれないって思っただけで、胸が熱くなった。



「蓮くん、あたし待ってる」


「マジ?」



今日見た中で、一番明るい笑顔になった蓮くん。


そんな蓮くんに、あたしの頬も緩む。



「来た甲斐があったよ」


「蓮くん、ありがとう」





これから結婚式の打ち合わせだという蓮くんとは、この店の前で別れた。
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