あなただけを愛したい
ピンポーン……
お姉ちゃんが玄関へ走ってる間も……
あたしは鏡の中の自分に釘付け……
てか、こうやってメイクすると、あたしってお姉ちゃんと似てるんだなって思う。
「柑那、真紀が来たよ」
「柑那ー、久しぶりだね。元気だった?……って、凄く変身してるじゃん!」
「真紀ちゃん、ほんとにあたしが行かなきゃならないの?」
「ごめんね、柑那。……このバカ亜衣(アイ)のせいで」
「ほんとだよ」
出会いなんて求めていないのに。
「そろそろ行こうか?」
「……うん」
真紀ちゃんに連れられて、街へ出た。
他の人たちと合流して店へ入る。
どうやら4対4らしい。
やだなぁ。
相手の人はみんなスーツを着ていて……
商社マンだと言っていた。