あなただけを愛したい
「やっぱり、……待つのか?」



待つ?


航のことだよね?



「あたし、竜一といると楽しいし、居心地よかったりもするけれど……でもやっぱり、航のことが好き」



この気持ちはずっとわかっていた。


でも、別れを告げた時点で、もう口には出しちゃいけないって、そう思ってたから。


だけど、蓮くんが、また想いを口に出すきっかけをくれた。


もう……


ひいたりはしない。


ちゃんと想いは伝える。



「やっぱり、柑那って真っ直ぐだよな。……まあ、そういうところを好きになったんだけどな」



え?



「竜一も、いつも真っ直ぐじゃん」


「いや、柑那には負ける。……つか、俺はやっぱり後悔しかねぇや」


「後悔?」



運転しながら話している竜一は、横顔しか見えないけれど、なんだか悲しそうな表情に見える。
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