あなただけを愛したい
「相変わらず、そういうとこはしっかりしてんだな」



竜一と付き合っている時もそうだった。


竜一以外の男とは、二人きりにならないようにしていた。


竜一は凄くモテたし、人当たりもよかったから、よく女の子としゃべったりしていた。


それが嫌で嫌で……


そのまま、竜一にその不満をぶつけたんだ。


そしたら『おまえも男としゃべってんだろうが!』と言われ……


お互いに不満を感じていたんだ。


だから、これをきっかけに他の男とは距離をおくようになった。


と同時に、竜一も女の子とは必要以上には話さなくなった。


そんな過去を思い出した。



「これからどうする?俺んちに来る?」


「帰る」


「はは、だよな」



あたしの応えがわかっていたかのような……返事。




結局この日は、このままどこにも寄らずに帰った。
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