あなただけを愛したい
でも、あれからの竜一は、毎日のように迎えに来ていたことが嘘のように、学校へは全く顔を見せなくなった。


でもたまに電話がかかってきたり、こうやって不意打ちでカラオケに来たりする。


二人きりで会わない努力をしてくれているのは嬉しいけれど、結局こうやって咲季や光輝くんを使って会おうとしてくる。


これってどうなんだろうなぁ。


ちゃんと、友達として接してくれてるのかな。



「柑那?どうする?」


「どうしようかな」



こういうのは嫌だけど、こうやってカラオケに行ったりして、気晴らしはしたい。



「……行く」



結局いつも、このまま流されてしまうんだけど。



午後からの講義を終えて、咲季と有希との三人で、行きつけのカラオケ店へ向かう。



「今日も暑いねー」



気が付けば梅雨に入り、ジメジメと蒸し暑い日々が続いていた。
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