あなただけを愛したい
蓮くんがあたしに会いに来てから、もう一ヶ月。


航はどうしてるんだろうなぁ。



「そういえば、もうすぐ柑那の誕生日じゃん?」



咲季がパッと思い出したように言ったけれど



「よく覚えてるね」



あたしの誕生日は7月10日。


あと一週間だ。



「パーッとパーティーでもする?」



その気持ちは嬉しいけれど



「柑那?」



咲季が、黙り込んだあたしの顔を覗き込んでくる。



「ごめん、その日は……無理かな」


「そうなの?」


「うん、ごめんね」



そんな話をしていたら、いつの間にかカラオケ店に着いていた。


先に着いて、歌い始めている部屋へと向かう。


ドアを開けたとたん、部屋の中から大音量が飛び出してきたから、慌てて中に入ってドアを閉めた。
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