あなただけを愛したい

「姉ちゃんの彼氏んちでいいんだろ？」



竜一は、あたしがずっとやっちゃんちでお世話になっていたことを知っていた。


いつも帰りは送ってもらっていたから。


でも……



「ううん、家に帰る」



お姉ちゃんとやっちゃんは、二週間前に結婚式を挙げた。


さすがに、新婚生活を始めた２人の生活には入れなくて……


家に帰った。


まあ、もう航から逃げる理由もなくなったし、蓮くんが来た時点で帰ってもよかったんだけど……


居心地が良くて、結局二週間前までお世話になっていた。


やっちゃんとお姉ちゃんから見れば、邪魔者だったんだろうなぁ。



「なぁ柑那。いまだにヨリを戻してねぇって、もう無理なんじゃねぇの？あのまま子供と三人で、うまくやってんじゃねぇの？」


「……」



竜一は、あたしが考えないようにしていたことを、こんな風にあっさりと言っちゃうんだ。