あなただけを愛したい
「もう一ヶ月だろ?」



わかってるよ。


いくらなんでも、こんなに長く連絡もなしに待たされるのは、おかしいってことも……


航はもう、あたしのもとへは戻ってこないかもしれないってことも……


だけど、それを認めるのが怖くて、誰ともこの話題には触れないようにしていた。


なのに、どうして触れちゃうかなぁ。


ずっと考えないようにしていたことを口にされたからか、それが現実になるような気がして、


涙が溢れてきた。



「柑那?」


「ど、して」


「は?なんで、泣いてんだよ!?」



竜一は車を路肩に寄せて停め、あたしの顔を覗き込んできた。



「……ないで」


「何?」


「見ないでよっ!」



何でこんなに突っかかったかなんて、わからない。


でも、口に出されたくないことを言われたせいで、気持ちが乱れたのは確かだった。
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