あなただけを愛したい
誕生日
.



それからのあたしは、いつかあたしの元へ戻ってくると信じながら、航のことを想い続けていた。



「柑那、ハッピーバースデー!」


「ありがとう」



ランチ時の食堂で、咲季と有希にお祝いの言葉とプレゼントをもらった。



「開けていい?」



頷く二人を前に、綺麗にラッピングされた箱のリボンをほどき、包装紙を破らないように開いていく。



「わぁ、いいの?」



開けてビックリした。


二人がくれたものは、あたしがずっと欲しいと言っていたブランドものの香水。


前にお姉ちゃんにもらったものを使っていたんだけど、凄く気に入っていたのになくなっちゃって。


でも自分で買うには、ちょっぴりお高くて手が出なかった。
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