あなただけを愛したい
横に座る真紀ちゃんの肩を叩いて



「真紀ちゃん、これオレンジ?」



そう言って飲んでもらうと



「違うよ!カシスオレンジじゃん!もしかして柑那、飲んだの!?」



カシスオレンジ?


何それ?


アルコール?



「半分くらい飲んじゃった」


「マジッ!?」


「うん」


「大丈夫?何ともない?」


「大丈夫だよ。あ、ちょっとトイレに行ってくるね」


「うん、気を付けて行くんだよ?」



気を付けて?


トイレ行くだけなのに?


意味がわからなくて首をかしげながら、足を進めた。


トイレに入って鏡を見ると……



「わっ、赤い!」



カシスオレンジというものを飲んだからか、頬が真っ赤だった。


バッグからファンデを出して、隠すように化粧直しをする。


まだほんのり赤いなぁ。


しょうがないか。
< 39 / 453 >

この作品をシェア

pagetop